ドイツの教育システムには日本とは違う点がいくつかあって、
例えばどんなものがあるかというと、
①学費が無料
②中学/高校卒業後にアウスビルドゥングという「職業訓練」をする人も多い
など。
この2つも理由になるのか(?)、
ドイツの音大では、大学の卒業時期をわざわざ遅めにズラす人が結構たくさんいます。
「延長」を希望しても申請が通らないことも
大学の歌曲レッスンで一緒に組んでいた、ドイツ人の声楽科の女の子が言っていました。
「私は1ゼメスター延長したかったけど、理由が不十分で認められなかった。」
「もうちょっとしっかりと希望理由を書いておけばよかった・・。」
その子は結局、通常の期間分のみ在籍し、そのまま卒業していきました。
一番認められやすい「延長」の希望理由は、
体の不調や怪我などによるもの。
本人の意志関係なく、不可抗力な理由だからですね。
前の投稿でも書いた通り、
何しろドイツは「大学生」の特権がたっくさん✨✨
金銭面や利便性から、
学生身分で居たい!😍と、延長を申請する人も多いのでしょうね。
とはいえ、学生身分を満喫する為だけに延長をする人が増えてしまっては大学は困ります。
そのような背景から、事務局の人もそう簡単には延長を認めてくれないようです。
コロナを理由にみ~んな延長
このように、基本的には少々対策が必要なゼメスターの延長ですが、
実はこの2年ほど誰もが「延長し放題」な状況が続いていました。
どうして?
そうです、コロナです。
2020年の春に大きなロックダウンが始まってから、
大学の授業は全てオンラインで開催、
また、大学が完全閉鎖された為に、毎日十分に練習が出来ない学生もたくさんいました。
ドイツの音大生は、自宅ではなく大学で練習する人がほとんどです。
大学が閉鎖してしまうと練習する場所がありません。
練習ができないぞ!どうしてくれるんだ!と、
閉鎖反対デモや署名活動のようなものも行われたりしていました。
こうした学生たちの声を聞き、
それなら仕方がない・・、と大学側が決断したのが
\「今なら、コロナを理由に誰でもゼメスター延長できます」キャンペーン!/
普段であれば、説得力のある希望理由をつらつらと規定のフォームに書かなければいけないのですが、
それを、
「コロナのため」
と一筆書くだけで、誰でも1ゼメスター延長することが出来る、というのです🙊
かなり太っ腹です。
結局、その時期に卒業間際にいた人たちはほぼ全員延長したと思います。
私が知る学生たちは例外なく全員延長していました。
もちろん私も(*’▽’)
風の噂で、他のドイツの音大の学生たちもみんな延長した、という話を聞いたので、
私の大学のみならず、どの大学も同じような状況なのだと思います。
みんな、「できることなら延長を!」という思考にあるんですね。
私が知っている人で、全く延長せずに卒業した人は本当に少ないです。
ドイツでは、1~2ゼメスター(半年~1年)延長は至って普通のことなのかも。
ドイツで就職予定の人は、ドイツでは年齢は重要ではないので卒業を急ぎませんし、
外国から来た留学生も、ドイツの教育システムに感化されて
「アレ、ワタシ、気が付いたら延長してイマシタワ😺」
という人が少なくないのかもしれません。
(続く)
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